購入が終点ではなく、初回購買が始点となるCRM戦略
大型モール出店通販(楽天やAmazon、Yahooショッピングなどへの出店)は商品の販売から発送までが顧客関係の終点と言えます。なぜならば「お客様の欲しい商品を与える」という行動で一件落着となってしまうからです。発送した商品が手元に到着した時点でお客様は満足する=顧客満足度100%と考えられます。
この通販の場合では、
- 商品の品種数(カラー/サイズ/機能など)
- 商品の価格競争
- 商品アイテム数が豊富(在庫量が豊富)
という要素が売上の増減を左右します。
売上拡大を図る場合は、商品数を増やす/アイテムバリエーションを増やす/販売価格を下げる(価格競争)など、商品対策に頼る結果になります。
時間の流れと共に売上が増え続ける
それとは反対に、顧客購買行動を主軸に考えるCRM戦略では、顧客の初回購入が「お客様との関係が始まる」始点と考えます。
LTVの思想から考えると、初回購入は顧客との関係(Relationship)が誕生したスタートポイントとなり、これからどうやって顧客満足度を高めてリピート購入いただくかがCRM経営の考え方です。
CRM戦略の場合では、EC事業の売上の増減を左右するのは商品ではなく「時間軸(流れ)」になります。
- 顧客の初回購入(新規顧客獲得)
- リピート購買(繰り返し購入いただく期間)
- リピート購買終了(顧客離反)
商品軸が主軸となるECショップ運営では「売上分析=商品分析」となり、顧客軸が主軸となるCRM戦略では売上分析に「時間軸」という要素が加わることで分析が複雑化するため、「CRM戦略には興味があるけれど難しい」と感じているマーケッターも多いのではないでしょうか?
特に、大手モール出店を経て自社ECショップ運営を開始した方にとっては、少々ハードルが高いかもしれません。
事実、EC事業の売上して「お客様のファン化」に取り組んでいる企業・事業は必ずと言っていいほどCRMを導入し、顧客分析・顧客育成に取り組んでいます。
それでは、LTVを主軸としたECショップ運営にどのような売上の差が生まれてくるのかを簡単な事例とともに次のページで紹介します。