実店舗×ECの顧客データ統合!オムニチャネルCRM導入事例
実店舗×ECの顧客データ統合!オムニチャネルCRM導入事例

実店舗と自社ECサイトを両方運営するアパレル・小売企業にとって、「オムニチャネル」や「OMO(Online Merges with Offline)」への対応は、もはや選択肢ではなく必須条件になりつつあります。とはいえ現場で頭を悩ませているのは、店舗とECで顧客データがバラバラに管理されているという、地味だけれど根深い問題です。
たとえば、何年も店舗に通ってくれている常連のお客様が、はじめてECサイトで買い物をした途端、システム上は「新規顧客」として扱われてしまう。そんなすれ違いから、的外れなステップメールが届いてしまうケースは決して珍しくありません。こうした小さな違和感の積み重ねが、ブランドへの信頼を少しずつ削り、結果としてLTV(顧客生涯価値)を下げてしまうのです。
購買行動がチャネルを問わず複雑化する今、売上を継続的に伸ばしていくには、店舗もECもまとめて顧客の行動履歴を捉え、一人ひとりに合ったコミュニケーションを設計するCRM戦略が欠かせません。
本記事では、店舗とECのデータ統合に取り組んだある企業の事例をもとに、オムニチャネル対応CRM「LTV-Lab for Omni」がどのようにデータ分断の壁を越え、クロスユース(店舗とECの併用)の促進とLTVの底上げを実現したのか、その具体的な道のりをご紹介します。
1. 導入前の課題:店舗とECの顧客データ分断による機会損失
導入前、同社が抱えていたいちばん大きな悩みは、店舗のPOSシステムとECサイトのカートシステムがまったく別々に動いていて、顧客データがひとつにまとまっていないことでした。
このデータの分断が引き起こしていた機会損失は、主に以下の3つです。
- 顧客の全体像が見えない 店舗で毎月数万円分を購入してくれる上顧客であっても、ECの記録上は「未購入」のまま。本来受けられるはずのVIP対応やアプローチの機会を、みすみす逃していました。
- マーケティング施策のちぐはぐさ 店舗ですでに購入済みの新商品を、数日後にECのメルマガで「おすすめ」として紹介してしまう。こうした違和感のあるコミュニケーションが、日常的に起きていました。
- 購入タイミングの取りこぼし ECサイトでの「カゴ離脱」やお気に入り登録といった、オンライン上の関心の高まりを店舗での接客にまったく活かせず、クロスセルやアップセルのチャンスを取りこぼしていたのです。
顧客をチャネルごとに別人として扱ってしまう仕組みは、マーケティングの費用対効果を下げるだけでなく、顧客のブランド離れを招く要因にもなっていました。
2. 導入の決め手:「LTV-Lab for Omni」を選んだ3つの理由
複数のCRMツールを比較したうえで、同社が最終的に選んだのが「LTV-Lab for Omni」でした。決め手となったのは、大きく3つのポイントです。
- POSとECをスムーズに連携できること 実店舗のPOSレジと主要なECカートシステムとの連携実績がすでに豊富にあり、大がかりな開発やカスタマイズをしなくても、顧客の購買データをひとつにまとめられる。この手軽さが高く評価されました。
- コストの心配をせずに運用できること CRMツールの多くは「メール配信数」に応じた従量課金ですが、LTV-Lab for Omniは「有効アドレス数」に対する課金で、配信数そのものは無制限です。だからこそコストを気にすることなく、店舗・ECの両方に対して細かくセグメントを分けた高頻度なアプローチが打てると判断できました。
- 専門知識がなくても使いこなせること 専任のデータアナリストがいなくても、RFM分析やCPM分析がボタンひとつで実行可能。あらかじめ用意されたシナリオテンプレートを使えば、導入してすぐにオムニチャネル施策を自動で回せます。この運用のしやすさが、最後の決め手になりました。
3. 実施した施策:店舗・ECを横断するオムニチャネルアプローチ
データが一元化されて土台が整ったことで、同社はLTV-Lab for Omniの機能を存分に使いながら、店舗とECがお互いに送客し合うオムニチャネル施策を展開していきました。
具体的には、顧客がどのチャネルで購買したかに応じて、次のようなアプローチを組み立てています。
- 【店舗からECへ】初回購入者へのフォローアップ 店舗で会員登録をして初めて購入した顧客には、7日後に「ECサイトで使える限定クーポン」と「購入商品のお手入れ方法」を記載したメールを自動で送付。店舗での体験の余韻が残っているうちにECの便利さを伝え、デジタルへの導線をつくりました。
- 【ECから店舗へ】近隣店舗のイベント・在庫案内 ECサイトをよく利用する顧客には、登録住所に基づいた近くの店舗の「シークレットセール」や「限定ポップアップストア」の案内をLINEで配信。オンラインだけでは伝えきれないブランドの世界観を、リアルな場で体感してもらう機会をつくりました。
- 【チャネル横断】未開封者へのLINE再アプローチ 重要なお知らせや期間限定セールについて、メールを一定期間開かなかった顧客を自動で抽出し、LINEで改めてお知らせ。チャネルを横断した最適化によって、情報の到達率と反応率を大きく引き上げました。
4. 導入成果:クロスユース促進によるLTV向上と今後の展望
LTV-Lab for Omniによるオムニチャネル施策が本格的に動き出してから半年ほど経ったころ、同社のビジネスにははっきりとした変化が現れ始めました。
もっとも大きな成果は、「店舗だけ」「ECだけ」を利用する単一チャネルの顧客が減り、両方を使いこなす「クロスユース顧客」の割合が大きく増えたことです。一般的に、クロスユース顧客のLTVは単一チャネル顧客の2〜3倍にのぼるといわれています。実際に同社でも、店舗とECを行き来する顧客の年間購入頻度が上がり、LTV全体としても数十%の底上げにつながりました。
加えて、的外れなプロモーションがなくなったことで、メルマガの解除率やLINEのブロック率も改善し、顧客体験(CX)そのものが向上したという手応えも得られています。
今後は、LTV-Lab for Omniに搭載されたAIレコメンド機能をさらに活用し、過去の購買履歴だけでなく、ECサイトでの閲覧履歴やカゴ離脱データも、店舗のタブレット端末にリアルタイムで反映させていく予定です。オンラインとオフラインの境目をなくす、より高度なOMO戦略に向けて、同社の取り組みはこれからも続いていきます。
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