アパレル通販で効果的なCRM施策とは？利用するメリットや選ぶポイント、成功事例を解説

アパレル業界では、店舗やECサイトを行き来するなどユーザーの行動が多様化しています。そのため、顧客の購買意欲を高める販売戦略を打ち出すためには、顧客行動を把握することが大切です。

顧客の購買データや行動などを分析するときに役立つのが、CRMツールです。CRMツールを導入すると、顧客情報を集約して、データに基づいて販売促進できるようになります。

今回は、アパレル通販で効果的なCRM施策や利用するメリット、CRMを選ぶポイントを解説します。アパレル通販でCRM施策を実施して成功した事例も紹介しますので、最後までご覧ください。

アパレル通販で役立つCRMとは

CRM（Customer Relationship Management）とは、顧客と良好な関係を築くために、顧客情報や購買履歴、施策を管理するツールのことです。CRMツールを導入すると、パーソナライズした接客やメッセージの自動配信をおこなえます。

アパレル通販で利用する際は、通販に特化したCRMツールを選ぶのがおすすめです。通販特化型のCRMツールには、以下の機能が搭載されています。

• 顧客管理
• メール配信
• 顧客分析
• 売上分析

購買データと顧客情報を紐付けられるので、顧客に適したアプローチをできる点が特徴です。また、CRMツールによっては、POSレジや複数のモール、基幹システムのデータソースと連携もできます。

アパレル通販でCRMが活用される理由

アパレル通販でCRMツールが必要な理由として、顧客はオンラインとオフラインをまたいで行動している点があげられます。顧客がどのような経路で商品に辿り着いたか、詳細な経路を把握している担当者は意外と多くありません。

たとえば、ECサイトで新商品をチェックしてから、実店舗で試着して購入するといった流れもあります。多様化した購買行動を把握するには、顧客情報に購入履歴や購買行動を紐付けられるCRMツールの導入が必要です。

また、メルマガ配信やクーポン配布など施策の効果検証ができていないと、担当者の感覚で運用することになってしまいます。そこでCRMツールを導入して分析機能を活用すれば、施策の費用対効果を把握できます。

高い効果を期待できる施策を決め打ちで実施できるようになり、リピート化の促進や売上拡大につながるでしょう。

アパレル通販でCRMを利用するメリット

次に、アパレル通販でCRMツールを利用するメリットを紹介します。

顧客に関するデータを集約して管理できる

CRMツールは、顧客情報に購買データや行動履歴をつなぎ合わせて一元管理できる点が特徴です。具体的には、以下のデータを紐付けられます。

• 購入日
• 購入頻度
• 購入商品　など

また、受注システムと連携できるツールであれば、複数モールの情報を一元管理できます。それぞれ個別管理する手間が省かれ、業務効率化につながります。さらに、CRMツールを通して顧客情報を社内で共有でき、迅速な施策改善ができるでしょう。

データに基づいて販売促進できる

CRMツールのデータから顧客をセグメント化することで、顧客に適した訴求ができるようになります。たとえば、購買データから顧客をセグメント化して、顧客ランクごとに施策を変えることも可能です。

上の画像は、RFM分析の例を示しています。RFM分析とは、顧客をRecency（最新購買日）、Frequency（購買頻度）、Monetary（購買金）の3つの指標でランク分けし、可視化する分析手法のことです。

RFM分析をおこなうと、顧客の状況にあわせて訴求方法を変えられます。たとえば、「新規顧客」に対してはリピーター施策を、離脱の可能性が高い「悩み顧客」にはDMを送ることで、継続してもらいやすくなります。

データに基づいて顧客ごとに最適なアプローチをおこなうと、リピート率やLTVが向上するでしょう。

リピート率の向上が期待できる

CRMツールで顧客データを分析して施策に反映させることで、リピート率の向上が期待できます。

アパレル通販の運営では、リピート施策が重要です。シーズン内に商品を売るために、メール配信でやみくもに訴求し続けても、どの施策が最も効果的だったか判断ができません。そこで、CRMツールからステップメールやカゴ落ちメールなどを配信し、どのような効果があったか確認することが大切です。

施策効果を分析することで、顧客が関心のある商品に関するステップメールを、購買意欲が高まる最適なタイミングで配信するよう改善できます。このように、CRMツールの分析内容からPDCAを回すことで、リピート率だけでなく、顧客ロイヤリティやLTVの向上にもつながるでしょう。

オンラインとオフラインを統合できる（OMO）

アパレル業界の事業者は、ECサイトだけでなく実店舗も運営しているケースが多くみられます。自社のECサイトやモールなどのオンラインと、オフラインの実店舗のデータを統合すれば、顧客行動を正確に把握できます。

このように、オンラインとオフラインを融合して、顧客体験の向上を狙うマーケティング手法は、OMO（Online Merges with Offline）と呼ばれています。

たとえば、顧客が実店舗で購入した商品情報をCRMツールに記録しておけば、スタイリングの仕方など追加情報をメールやECサイト上で提案が可能です。顧客とのタッチポイントが増加し、購買体験の向上が期待できるでしょう。

アパレル通販で効果的なCRM施策7つ

続いて、アパレル通販で効果的なCRM施策を7つ紹介します。

シナリオ配信（ステップメール）

シナリオ配信（ステップメール）は、特定の日付を起点として、目的にあわせてさまざまなシナリオを組みながら配信する手法です。

上の画像では、「新規顧客獲得」を起点として、「2回目の購入（初回リピート）」を目的に配信されるステップメールの例が示されています。

はじめて商品を購入した顧客に対し、商品の発送日から定期的にフォローメールやクロスセルにつながるメールなどを配信することで、リピート化や売上拡大につなげます。

カゴ落ち配信

カゴ落ち配信とは、ECサイトで商品をカートに入れたまま購入していない顧客に配信するメールのことです。たとえば、ECサイトのカゴに商品を入れたものの未購入の会員に対し、状況に応じて異なるメッセージを定期的に配信します。

商品をカゴに入れっぱなしのまま放置している顧客は、商品を購入する確率が高い状態です。そこでカゴ落ち配信を取り入れると、離脱を防ぎ購買につながることが期待できます。

休眠顧客引き上げ配信

休眠顧客引き上げ配信は、初回購入から一定期間空いた顧客に対して配信するフォローメールのことです。購入実績のある顧客に対して再度アプローチして、完全に離反してしまう前に引き止めて購入を促す効果があります。

休眠顧客に配信するメールの内容は、初回購入した商品を再度リマインドしたり、人気・売上ランキング商品をお知らせしたりすると、ECサイトを想起するきっかけとなります。また、再購入につなげるために特別限定クーポンを配布するのも効果的です。

ランキング配信

人気・売上ランキングに関する配信もCRMツールからおこなえます。日次・週次・月次単位の販売個数、売上金額の高い商品ランキングを知らせることで、商品に関心を持ってもらいやすくなります。

メルマガのコンテンツのひとつにもなるため、シナリオ配信の中に組み込むと良いでしょう。

ポイント有効期限お知らせ配信

CRMツールから保有ポイントの有効期限が迫っている顧客を抽出し、ポイント有効期限を知らせるメッセージを配信しましょう。ポイントの有効期限の30日前や7日前に通知することで、メールの開封率を高められます。

また、ポイント有効期限お知らせ配信は、保有ポイントと何を引き換えられるのか、どのように使用すればいいか確認するために、ECサイトへの再訪問を促す効果もあります。保有ポイントの使用をきっかけに、ほかの商品にも興味を持ってもらえれば顧客単価アップにつながるでしょう。

誕生日配信

誕生日配信では、誕生日の当日や誕生月の月初にメッセージやクーポンを配信することで、ECサイトへの再訪問を促進します。顧客の誕生日に関する情報をCRMツールに記録し、どのような内容のメッセージを配信するかあらかじめ設定しておきましょう。

CRMツールからなら自動配信できるため、効率的におこなえます。最適なタイミングでバースデーメッセージを配信することで良い印象を与え、ファン化にもつながるでしょう。

LINE配信

CRMツールとLINE公式アカウントを連携してメッセージを配信すると、訴求力が高まります。LINEは多くの人が使い慣れているコミュニケーションツールであるため、メールよりも開封率が高い点が特徴です。

カルーセルを使って人気商品を視覚的に訴求でき、魅力的な画像を掲載すれば購入してもらいやすくなります。ステップメールやランキング配信をLINEでも実施すると、商品の認知拡大や売上アップにつながるでしょう。

LINEと連携してCRM施策をおこなうメリットを解説

アパレル通販でのCRM施策の成功事例

通販特化型のCRMツールである「LTV-Lab for Omni」を導入し、成果が上がったアパレル通販の事例を紹介します。

株式会社タカキュー

ファッションアパレル専門店をコア事業として展開する「株式会社タカキュー」は、コロナ禍でECサイトの売上を伸ばすためにLTV-Labを導入。これまで使っていたCRMツールはメール配信通数によって課金が発生していたため、メルマガの施策を打ち出しにくい状況にありました。その点、LTV-Labは月額固定でメールの配信通数の制限がなく、追加の施策をおこないやすかったといいます。

さらに、これまでのツールと比較して、LTV-Labは使いやすく見やすい管理画面で、誰でも扱えるようになりました。

実際のメルマガ施策として、配信総数のアップ、ロイヤリティ向上施策、売上向上の施策を分けて取り組んだところ、昨年対比で以下の結果を得られました。

• リピート売上が103％
• リピート顧客が142％
• 費用対効果（ROAS）が1,480％

メルマガ施策以外にも、顧客データに基づいてECサイト上の顧客にポップアップを表示できる「Web接客オプション」も利用。今後は、LTV-Labで集約された顧客データを活用しながら、アプリのプッシュ通知施策も検討しています。

株式会社タカキュー様 活用事例

ゴールドフラッグ株式会社

女性用ランジェリーを販売する「ゴールドフラッグ株式会社」では、複数のモールを使う顧客管理のために、ネクストエンジンと自動連携しているLTV-Labを導入。

LTV-Labに搭載されたRFM分析やCPM分析、LTV分析をボタン一つで閲覧し、新規顧客をリピーター転換へとつなげました。その結果、年間総売上が前年比で131%、リピーター売上が前年比で119%のアップとなっています。

ゴールドフラッグ株式会社様 活用事例

株式会社ポルコロッソ

革の鞄、財布、小物などを販売する通販サイトを運営する「株式会社ポルコロッソ」は、受注管理システム（クロスモール）にはない機能を活用するためにLTV-Labを導入。顧客の詳細なセグメント設定、クロス集計でレコメンドする商品の選定や、店舗ごとにリピート傾向を分析する際、LTV-Labを活用しています。

LTV-Labの基本機能であるメール配信は活用せず、クロスモールと連携しながらCRM施策を実施しています。

株式会社ポルコロッソ様 活用事例

アパレル通販のCRMツールを選ぶときのポイント

アパレル通販のCRMツールを選ぶ際に検討すべき4つのポイントを紹介します。

カートや受注システムと連携できるか

カートシステムや受注システムなど、すでに導入しているシステムとCRMツールが連携できるかを確認しましょう。連携できれば、カートシステムなどから顧客データを自動送信できます。実店舗のデータをCRMツールに連携したい場合は、POSシステムと連携できるCRMツールを選ぶ必要があります。

CRMツールによっては、さまざまなツールやサービスとの連携が可能です。通販特化型のCRMツール「LTV-Lab for Omni」は、商品在庫の可視化や消化予測ができる「LTV-Zaiko」とも連携できます。

在庫管理や分析は、ECサイトや小売店などを運営する事業者にとって課題となりがちです。LTV-Zaikoがあれば、複数のデータソースを集約して可視化できるため、在庫状況の分析が容易になります。

商品ごとの在庫の余剰状態や廃棄の可能性が一目でわかるので、残在庫数を見ながら消化または販売促進がおこなえます。

CRM施策を実施しやすいか

導入するCRMツールの管理画面が見やすく、CRM施策を実施しやすいかどうかも重要です。CRMツールに豊富な機能が搭載されていても、使いこなせなければ費用対効果に見合わなくなるからです。

アパレル通販ではメール施策が重要になるので、メール配信がしやすいものを選びましょう。通数制限がなく、効果が期待できるシナリオテンプレートを用意しているLTV-Lab for Omniがおすすめです。

CRMツールによっては無料でデモを使える場合もあるので、導入前に一度試して操作性を確かめると良いでしょう。LTV-Labでは無料デモのお申し込みが可能です。是非お気軽にお申し付けください。

業務の効率化につながるか

業務効率化につながるCRMツールを選ぶことも大切です。CRMツールに自動連携や分析機能があれば、データをCSVでアップロードする手間がなくなります。データをExcelで分析する必要がなくなり、工数削減につながるでしょう。

たとえば、アパレル通販の売上を継続的に伸ばすにはLTVの向上が欠かせません。そこでCRMツールにLTV分析機能があり、クリック一つで分析結果が表示されれば効率的に分析できます。

以下は、LTV-Lab for OmniのLTV分析の画像です。下の画像のように分析機能でLTVが可視化されると、顧客獲得の費用対効果や将来の利益予測を検証するなど、業務効率化だけでなくEC運営にも役立ちます。

サポート体制やフォロー対応があるか

CRMツールによってサポート内容は変わるので、事前にフォロー体制を確認しましょう。ベンダーによっては、運用や施策面のフォローをしてくれる場合もあります。導入時のサポートだけでは、運用時に効果を出せないかもしれません。自社の商材や状況にあった提案をしてくれるなど、サポート体制が整っているベンダーを選ぶと良いでしょう。

アパレル通販でCRMを活用して売上を拡大させよう

アパレル通販の売上やLTVを最大化するには、CRM施策が欠かせません。CRMツールで顧客データを一元管理し、データに基づいた施策を実行して効果を確認することでPDCAを回せるようになります。実店舗のオフラインデータをECサイトなどのオンラインデータを統合することで、より効果的な施策を打ち出せるでしょう。

LTV-Lab for Omniは、費用対効果に強い通販特化型のCRMツールです。メルマガの配信数は無制限のため、ステップメール配信などのメルマガ施策を強化したいときに有効です。さらに、管理画面も見やすく、RFM分析やLTV分析を誰でもすぐ確認できます。LTV-Labにご関心がありましたら、以下よりお気軽にお問合せください。